「あ!すみません!これ玩具です。」
「な、なぜそんな真似を…。」
「状況を再現していました。実はですね、閃いてしまったんですよ!」
「は、はい?」
「つまりですね、行方不明となったオーナーは既に殺人鬼の手によって先ほどのように殺されてしまっており遺体はどこかに隠されてしまったんじゃないかと考えたわけです。証拠?そんなものは一切ないんですけどね。そのほうが行方不明の人間を探すよりも効率が良いじゃないですか。うん、そうしましょう、そう考えるのが自然だ。はははもう解決したようなものです、いっそ遺体は湖の底に破棄されてしまったことにしましょう。私の依頼は人探しであり殺人犯捜しではないですからね、貴女もオーナーが死んでしまったということでドサクサでこのホテルを継いじゃいましょう。いや決して『死んでる』ネタとかそういうメタなことをやりたかったとか一切ないですよ、あ、コッチの話です。」
「へぇ…。」
「殺人鬼怖いですねぇ。さて、それでは今夜はのんびり過ごして明日報告に帰りますかね、めでたしめでたし。」
「…そう…それはなにより…。」
撮影:あかつき
被写体:やん
現像:烏丸
2018/07/25 豊平館